裁判ブログ編
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日記:2019年5月2日 【本の感想慎泰俊、2017『ルポ児童相談所−一時保護所から考える子ども支援』】

けあけあ
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一時保護所をメインで取り上げる書籍はなかなか少ない中、本著者は数々の児童相談所を訪れ、時には一時保護所で寝泊りし、ご自身でも子ども支援の活動をする団体を立ち上げ、一時保護所を経験した子どもや職員の声を丁寧に汲み取っている。

一時保護所における記述に関しては、

「あーあるある」「確かにこれはおかしいと感じる」という共感もあれば、あまりにひどい保護所に目を背けたくなる。こうした保護所を経験した子ども達の声は鋭く、突き刺さるものがあった。一時保護所について中身を知りたい人にはおすすめかも。

一方で気になる記述もあった。

「確かに職員のみなさんは忙しそうにしてはいますが、児童相談所の中でも、一時保護担当の職員たちは家庭支援の児童福祉司たちと違って、定時で、もしくはわずかの残業で仕事を終えてさっさと帰宅している印象があります。積極的に残業を推奨するわけではありませんが、たった一時間勤務時間外労働をすれば、子どもたちを外出させることができるのではないかと思われます結局のところ、忙しさはあくまでも口実であるような印象を私は受けました。」(p74)

あまり多くは語りませんが、これをみてイラッとしたり、ちょっとショックでした。ああ、こんな風に見られてしまうのかと。

運営者について
飯島章太
飯島章太
フリーライター
元児童相談所職員での経験を活かして、子ども・若者のケアに関わる人たちに取材を続けています。著書に『図解ポケット ヤングケアラーがよくわかる本』 。
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