今日の支援者支援の活動の中で学んだこと
けあけあ
フリーライター 飯島章太のサイト
正直言って本は、よっぽど関心ある領域ではないと現在読める体調ではないのだけれど、この本はサピエ図書館(目で本が読めない人にむけた音訳図書をオンラインでも提供している図書館)の力もあって、今日読み終えた。
本書は、大学で人類学の教鞭をとっていたマーフィーさんが、脊髄で肥大化していく腫瘍によって、だんだんと四肢麻痺に侵されながらも、身体障害者としての自分の心境、そして周りとの関係性について記述したフィールドワークの記録である。
私にとって大きな影響だったのは、本書は自分についてのフィールドワークの記録だったことである。そしてその自分は、従来健康(にみえた)自分とは異なった、まるで他人のような自分である。
本書は、単に当事者が自分について語るだけではない。自分を通じて、「生きるとは何か」「死んだ方がましなんてことはありうるのか」という、死生観への大きな問いに答えている。自分を証として、論を進めていくのである。
本書は確かに身体障害について主に叙述されているが、これはうつ病を始めとして精神障害についても応用可能な叙述でだろうと思う。
そういう意味では、私にも自分を証拠に何か大きなテーマを叙述することは可能なのではないかと勇気づけられる。もちろん学問の世界に載せるには、その学問的なバックグラウンドが必要なのではあるのだけれど。