裁判ブログ編
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私が児童相談所に就職しようと思ったきっかけ〜子ども電話相談ボランティアの経験〜

けあけあ
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こんにちは。飯島章太です。

今日は私が一時保護所の職員としてまだ千葉県庁に所属していた時に匿名で2019年9月12日に書いていた記事を再編集してみました。よかったらご覧ください。

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私が児相に勤めようと思ったのは「子どもや親の相談を聴くことができる場所」だと思っていたからです。「相談を聴くこと」に興味を持ったきっかけは、子どもとのボランティアでした。ボランティアの中で私が好きだったのは、ひたすら子どもの声と話す…というか聴くことでした。

色んなことを話してくれる子どもたちでした。
テストの点が良かったとか恋愛話とか、いじめで苦しんでいる、
親との関係で悩んでる、進路で泣きそう、などなど。
その時私は、ただ「うんうん」とうなずいたり、
「え!そんなことあったの!?」と驚いたり、
時には「う~ん」と悩んだり、
泣きそうになったりしますが、
基本的にはただ聴くだけです。
それが無性に好きだったのです。

私は子どもの話を聴く魅力は2つあるなと思っています。

1つは、子どもが自分で力を得ていく姿を見れることです。
子どもたちは、特にアドバイスや助言はいらず
(というかそんなものには耳を傾けることなく)、
話すことで力が湧いてくるようでした。
話すことで自分で頭を整理していくようでした。

ずっと悩みを話していた子が
突然「あ、じゃあ明日はこうすればいいんだ!じゃあね!」と
走り去っていっていったときは驚きでした。
私はポカンという感じです。置いてかれた感じです。

でもこんなふうに走り去っていく子どもたちを見て、
自分の気持ちまですっきりしました。
私は子どもの傍らにいて、一歩踏み出して成長していく子ども達の様子を見れて、
こっちまで励まされる思いでした。
その感覚が好きでだったのです。

2つ目は、自分の心がゆれていくのを感じることができるためです。
色んな子ども達の話を聴くうちに、自分の心の変化も感じるようになりました。
「あ、自分ってこの話されると動揺するんだ」
「こういうことに興味惹かれるんだ」
「こういうことされると傷つくんだ」と自分への再発見がいくつもありました。

普段なかなか自分の感情に気付くなんてことはなく、
むしろそれを隠すことの方が多い中で。
ボランティアでは、
自分の感情のうごきに気付いて、さらにそれを伝えることができるって、
なんて気持ちが良いことなんだと思いました。

この2つを感じることができたとき、とってもこのボランティアが楽しいと思ったのです。
話を聴くことがとても好きになったのです。

聴くことに興味を持った私は、
「やっぱ子どもの話を聴ける、子どもの相談を受ける場所って言ったら
児童相談所だろう!」と思いました。
大学2,3年生くらいだったと思います。

当時は児童相談所がいったい何をしているのかはよくわかりませんでしたが、
「児童」の「相談」を受ける「所」だろうと、
名前で判断していました。

そんなわけで児童相談所に就職しようと思ったわけです。

運営者について
飯島章太
飯島章太
フリーライター
元児童相談所職員での経験を活かして、子ども・若者のケアに関わる人たちに取材を続けています。著書に『図解ポケット ヤングケアラーがよくわかる本』 。
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