【地方に移住し働くということ】
けあけあ
フリーライター 飯島章太のサイト
世の中の歪みというのは、立場の弱い人にもとにそのしわ寄せが向かってくる。人は、誰かと誰かの間に立ち、引き裂かれる。葛藤やジレンマとして現れ、じわじわとその人を心からむしばんでいく。
しかし、その歪みは表面上は見えない。見せないように努力してきた。また周りの人もその努力は見えなかったし、無意識に見ようともしてこなかった。
しかし、生命を危機へと追いやる脅威が現れる。その脅威は、これまでなんとか努力して立場の弱い人へのしわ寄せを潜在化させてきた社会を許さなかった。なんとか目に見えないようにさせてきた社会の歪みを、より明らかにさせた。
しかし、その脅威は人々の心に恐怖を植え付ける。その恐怖は、顕在化している社会の歪みから目を背けさせていく。そして明らかな社会の歪みは放置され、より歪んでいく。
社会の歪みは誰かが正そうとすることはできない。その誰かもまたその内側に社会の歪みを抱え、染み込んでいるからである。ゆえに、社会の歪みは自覚することさえできない。ただ、歪んでいくプロセスを「なんとなく」感じるだけである。
しかし、その「なんとなく」という感覚を大事にしたい。葛藤やジレンマを大事にしたい。その叫びが社会の歪みをできる随一の手段だと思っている。