定員210%、子どもたちは寝室ではなく広間や体育館で寝ていた〜千葉県児童相談所職員2ヶ月と半ば〜
1 定員の倍を超えることが常態化した
シリーズ「なぜ元職場の千葉県・児童相談所に裁判を起こしたのか」の職員時代の勤務編。
前回は、子どもたちの関わりがケアから管理する側になってきた葛藤について記事にしました。
その状態の中で様々工夫しようとしますが、定員の2倍を超える日が常態化していたため、日記を書くことも、葛藤することも難しくなってきた時期でした。
2 寝室はいっぱい、リビングや体育館で寝る子がいた
「か、仮の話ですが、定員210%の施設なんてものがあったらどうなのでしょうね・・・職員数は定員に応じているわけですので、物理的に2倍以上は動かないといけないわけです。不可能ですが。そして施設の中の人は、まさか部屋以外で寝るなんてことは、福祉的にあり得ないですよね。もちろん仮の話ですが。」
(6月10日日記)
5月中ばごろから、すでに何度も子どもたちの定員の2倍となっていた一時保護所でしたが、6月からほぼその状態が常態化していました。そして6月半ばごろ、定員の210%という数の子どもたちが一時保護所で過ごすことになりました。
定員の2倍を超える状態は、一時保護所で子どもを保護する数としては、想定を超えています。
子どもたちの中には、寝室で寝ることすらできない子もいまいた。普段日常を過ごす広間のような場所に布団を敷いて寝ていました。中には、体育館に布団を敷いて寝ていた子もいます。それほど限界な状態でした。
3 通常の倍以上の働きが求められる勤務
ここまで忙しいとは。
思わず笑っちゃいました・・・。なぜか途中でドラえもんの歌を歌って精神保っていました。
でも事故なく無事に過ごせて良かった。今はただただ安心・安全が守られることを願うばかり・・
(6月12日日記)
職員の多くは限界でした。
一時保護所にはいろんなルール・きまりがあることはすでに書きました。それはつまり、職員が管理することが多くあるということです。そのため物理的に職員が動く必要がありました。
例えば、子どもたちの要望は常に職員に伝えなければいけなくなっていました。子どもたちから「CD貸してください」「ティッシュください」「トイレいきたいです」などの要望が40人以上寄せられてくるので、職員は常に動き回ります。動き回りながらも、子どもたちの安全は守らなくてはいけないので、常に見守っています。
いつ事故やトラブル、怪我が起きてもおかしくないような状況でした。そのときはただひたすら子どもたちの安全も安心も守られることを祈るばかりで、仕事をしていました。
仕事のシフトの変更も急に起こっていました。
今日は特別区児童相談所一時保護所派遣職員学習会に参加(注:業務でなく完全プライベート)。こうした保護所の学習会は貴重なので、ありがたい場だったなぁ。
明日からまた頑張ろうかなぁ〜と思っていた矢先、私の明日の勤務が夜勤に変更されたと、その場でお会いした同じ職場の人に教えてもらった。
今確認したところ実際そうとのこと。
いやいや、労務管理的にどうなんでしょうか。夜勤への心の準備って結構あるものなのに・・・まぁぐちぐち言ってもしょうがないんだけど・・・でもねえ、あまりにも扱いが・・・
(6月14日日記)
仕事のシフトは、急な変動があり不安定でした。
6月14日、「特別区児童相談所一時保護所派遣職員学習会」に自発的に参加していたところ、たまたま同じ職場だった職員から「明日夜勤に変更されていたよ」と伝えられました。私にはなにも聞かされないまま、同意のないままの変更でした。
特にこの時期の夜勤は大変でした。体調不良になる子どもたちもいれば、子どもの数も多く、記録や管理することも多く、寝れない状況が続いていました。だからこそ、夜勤があるときには気合いを入れたり、心の準備をすることが重要でしたが、こうして夜勤が急に入ることは、すごく動揺しました。
ですが、当時の一時保護課長も、かなりてんやわんやだったことは伝わっていました。仕事のシフト表が、通常は月の半ばの職員会議のときには渡されるはずなのですが、月がはじまる前日に渡されることも多く、またそのシフト表も急に変更されたりなど、常に変動がありました。
それほど一時保護所の中はパニックな状態でした。
4 終わりに
勤務から3ヶ月目に入り、子どもたちの数が倍以上となった状況について、記事にしました。
6月半ばごろとなると、職場に対する疑問が自分の頭のなかでぐるぐるするようになります。次回はその辺について記事にしていきます。