判決から1週間が経った、そしてこれからの自分のキャリア

判決から一週間が経ちました。控訴があり、高等裁判所へは続くことにはなりましたが、まずはほっとしています。判決の報道があったあと、様々な方からお祝いの言葉をいただきました。自分のことのように喜んでくださったことが、嬉しかったです。
判決の内容に関しては、ここまで踏み込んだ内容のものが出るとは本当に予想外でした。いくつかこんな判決になるだろうかという予想を立てていましたが、実際には休憩時間・仮眠時間の労働時間性が認められ、安全配慮義務まで認められたのは、全く予想想定していなかったパターンでした。もちろん喜びもありますが、一方で動揺もあります。もっといえば、戸惑っているとも言えます。
判決の現場への影響については、報道各社が報じてくださった通りです。勝訴への喜びもあれば、複雑な思いもあります。こればかりは千葉県側が労働環境を改善する姿勢を見せなければ、何も変わりません。そして判決日の即日控訴という千葉県の判断をみるに、それはあまり期待できないように思います。
また一方で私の将来のキャリアについても、より一層見えなくなってきました。これから私はどんなことをしたらよいのだろうかと、日々考えています。ただこのように悩めていることは、全く悲観的なことではないなとも思います。むしろ、未知のキャリアになる可能性が高いので、それはそれでこれからが楽しみだなと、素直に自分自身に思えます。きっとその道を拓くことが、将来の世代の人たちが生きやすくなる可能性を広げられるかもしれないとも思っています。
とはいえ、もちろん混沌とした状態ではありますので、私にも不安定感・不安感はあります。そんなとき判決の後、弁護団の弁護士さんから、ある言葉を贈っていただきました。
「自分の幸せをもっと考えていい。自分が幸せになる道をもっと考えていい。」
確かにそうなのかもしれないなと思いました。もちろん、現時点でも私は幸せです。でももしかしたらもっと自分に比重をおいた幸せを考えていいのかもしれないと思います。大切に生きようと思います。周りのことも、自分のことも。
これから私がやりたいことはいくつかあるのですが、1つ仕事としてできたらと思うことがあります。「こども・福祉に関するブックライター」です。いわゆるゴーストライターとも言われる仕事です。もう少し詳しく言語化すると「本や雑誌などを通じて、中高生・若者向けにメッセージや情報や生き方、自分史を残したい著者に対して、インタビュー・取材を重ねて、文章案を執筆・提案し、一緒に本などの作品を作っていくライター」を目指したいと思っています。
判決の出る1週間前、私はこんなことを書き残していました。
”ですが裁判をするうちに、私自身が大事にしてきた価値観が見えた気がしました。それは「自分が生きた後、将来の世代に私は何を遺すことができるのだろうか」という問題意識から始まったように思います。(中略)
では裁判が終わった後には、私は残りの人生で、何が後の世代に遺すことができるのだろうかと、最近考えています。まだ仮の考えですが、こんな感じはどうかなとおもっています。「例えば20年後に生まれる人たちが、生きていく中で、辛かったり、大変だったり、生きることすらやっとというときに、今をなんとか生きる/生きた人たちの知恵や経験を文章の形で遺しておき、それが未来必要となった時に見つけることができる状態にしておくこと」。”

この考えは、判決が出た後でもあまり変わりがないなと思います。ブックライターだからこそ、想いを持った様々な人たちと関わりながら、一緒に文章・本を作り、後世に伝えるものを遺せるのではないかと思っています。
もちろん現実にぶつかっていく中で、考えも変わっていくかもしれません。ですが、一つのアイデアとしてメモしておきたいと思います。
この記事をご覧になっていただいた皆様には、これまでもおそらく裁判を見守っていただいていたことかと思います。その支えがあってこそ、ここまで続けてこれました。まだ高等裁判所へと続きますが、引き続きご関心を寄せていただけますと幸いです。また合わせて、私のこれから進む道も、どうか見守っていただけましたら、これ以上嬉しいことはありません。
2025年4月6日
飯島章太