【おすすめの本:赤木ひとみ、2021年『ジソウで見つけた宝石たち―児童相談所一時保護所で出会った子どもたち』(風媒社)】
けあけあ
フリーライター 飯島章太のサイト
一時保護所の元職員という立場でお話させていただきました。
ここ10年間の報道をみていくと、一時保護所についての課題ばかりが報道されているかと思います。
「もっと良い一時保護所もある」「もっと改善している一時保護所もある」という声は多くあり、私もそれは間違いない事実だと思います。
ただここ10年、一時保護所についての課題は報道されているのにもかかわらず、同じような報道が繰り返されていることもまた事実です。問題は、こうして一時保護所を経験した人たちが何度も言葉に出しているにも関わらず、いまだに課題が残り続けているということです。
こうした課題が一カ所でも、一部分でもあれば、一時保護所自体の信頼が揺らいでしまうのです。
これは誰が悪いとか、責任があるというよりも、
もっと複合的で構造的な問題なのだと思います。
・子ども福祉への予算配分などの財政的な課題
・児童相談所の中の一時保護所という、なかなか知る機会のない場所であるがゆえ、注目されづらいこと
・ゆえに政治的な焦点になりづらいこと
・国の統一した基準ではなく、各地域独自での運営だからこそ、ローカルルールや歴史や文化が続いていること
こうした要因はきっと挙げればきりが無いほどです。
だからこそ、誰もがどのようにアプローチするべきか、ずっとずっと頭を悩ませている状態が続いています。
だから、今こうして投稿を読んで、
こうした課題があることを知ってくださっている方がいること自体が、
この課題が少しでもほどけていく、大事なアクションなのです。
どうか、この課題を一緒に注目し続けてくださるとありがたいです。
投稿を読んでいただき、ありがとうございました。